おじやの半生物語「2000年代後半編」その12

和歌山県の頂点を決める戦いがいま、はじまった。
さすがに歴戦の王者、「岩出ガメラーズ」・・・
簡単には勝たせてはくれない。それでも互角の戦いを
繰り広げる・・・第1セットはサドンデスに突入するも、
惜敗。2分間のインターバルがあり、選手たちを落ち着かせる
「とにかく、楽しめ。後悔しないようにな!」そう言って
第2セットに送り出した。選手たちに笑顔が出始めた。
流れがこちらに来ているように感じた・・・。第2セットはゲットし、
最終セットにもつれ込む。
この流れで行けるのでは・・・と思いが浮上した。
その反面「このセットを取れば優勝・・・」という思いが芽生え、
そこにスキができた。焦りの色が見え始め、
うまくパスがつながらない。キャッチができない。
あと30秒残して5人差で負けている。
「おまえら!このままでええんか〜〜〜〜!!」
おじやの怒号が飛んだ・・・。その瞬間、キャプテンの
セイヤの顔が変わった。まるで憑依されていた悪魔を
取り払ったかのように・・・。「いくぞ〜〜〜!」。
パスがきれいにつながり外野からのアタックが決まり、3人差。
時間はあと5秒・・・。最後と思われるパスが
外野のシューヘイにわたり、アタックが決まり。一人差。
しかし、奇跡の頑張りもここまで・・・。「ピ〜〜〜〜〜〜〜!」
無情のホイッスルが鳴り響き、「オジヤフレンズ」の
挑戦は終わった。しかし、あまりにも感動的な試合に、
会場の観客席がスタンディングオベーション状態。
おじやは涙をこらえきれず。号泣し、選手たちを抱きしめる・・・。
「よう頑張ったな、楽しかったか?」「うん」
涙にあふれる選手たちの瞳の奥にさわやかに輝く光があった。
おじやは大満足で「準優勝」のトロフィーを手に、関西大会に
むけて決意を新たにしていた。しかし・・・水面下では、
謀反の火種が燻っていたのだった・・・つづく・・・。

在りし日の「四箇郷オジヤフレンズ」