おじやの半生物語「2000年代後半編」その11

悔しかった夏の大会が過ぎ去り、子どもたちも
厳しい夏の練習を乗り切り一回り成長を感じるように
なった頃、一人の選手が、「今日はお父さん来るらしいで」
そう言って笑っている。おじやは親が出てくるのは
あまり好ましく思わなかったのだが向こうからくる場合は
邪険にもできず、歓待した。仮にその人の名を
「亜早原」さんとしよう・・・。
おじやは今の大人のスタッフ3人で運営している状態が
たまらなく心地よかった。「おじや」「情有」「弐位実」の三人で。
その日の練習が終わってから嫁にその話をしたら
「ほんまに新しい人入れて大丈夫なん?」
今思えば過去にそんな人選ミスで自分の居場所を無くしたことを
嫁は知っていたからだ。「な〜に、心配いらんて
、大人が多いほうが車も出してもらえるし・・・」と言って
あまり深くは考えていなかったのだ。
(数か月後に・・・いや、今は触れないでおこう)。
そして何事もないまま、秋になり合宿のようなものを
しましょうということになり、スタッフの一人の家に
レギュラー全員が宿泊して修学旅行的な気分になって
異様な盛り上がりを見せてとても楽しかった。
(ちょっと飲み過ぎたか・・・)そして時は流れて、
2009年になった。春の大会予選がすぐそこまで来ていた。
いよいよ予選当日、「さあ、6年生たちよ。最後の挑戦だぞ!
悔いを残すな」そう声をかけて試合に送り込んだ
。夏よりもチームワークが格段に
良くなり勝ち進んでゆく「オジヤフレンズ」。
あっという間に決勝まで上り詰めたのだ。
しかも準決勝は3分で相手を全員アウトにしての会心の勝利だった。
そして和歌山を代表する「岩出ガメラーズ」と
対戦することになった。すでに関西大会の出場は決めていたのだが、
今までなしえなかった「優勝」を目の前にしてみんな
少し緊張し始めていたようだった。そして決戦の火ぶたは
切って落とされた・・・つづく・・・。