おじやの半生物語「2000年代後半編」その10

新しい「オジヤフレンズ」が始動してすぐに
キャプテンのセイヤが無断欠席するなど先行きの
不安な船出になってしまった。「なんとかして
キャプテンとしての自覚を芽生えさせなければ・・・」
そう思ったおじやはセイヤを呼び出し近所のお好み焼き屋で
説教をかました(笑)小学生というのは実に
感化されやすい生き物で褒めれば褒めるほど
その気になっていき、自覚が芽生え始めたのだ・・・。
練習にも先だって参加するようになりチームを
まとめようとする気持ちも出始めてきたのだ。
県外にも練習試合に行く回数が増えていった。
そのたびに力をつけていく選手たち。そして早くも
夏の大会がやってきた。会場は3年ぶりのビッグホエール。
いままで培った練習を発揮する時がやってきた。
ユニフォームも上下揃えての気合を込めての出場だった。
ただ・・・精神的な脆さ・・・それだけが心配だった。
試合が始まり好調に滑りだす「オジヤフレンズ」。
予選を軽く通過して決勝トーナメントに進出する・・・。
1回戦を圧倒的な強さで勝ち進みベスト8進出。
そして次の相手は・・・・去年と同じ準々決勝で当たった
「丸栖ホタローズ」。なんとも言えないいやな思いが
おじやの脳裏を駆け巡る・・・。
試合開始!最初からアタックを打ち続けるキャプテンのセイヤ。
「これは、もしかしてヤバイ展開・・・」
パスを出さず個人プレイに走り出している・・・。
突出した選手にはありがちなことだが
このセイヤは特にその傾向が強かったのだ。
相手は大きい選手が多く、アタックが
強烈なため、受けきれない。一進一退の攻防が
繰り広げられていく。・・・が・・・無情にも一人差で
ホイッスルが鳴り響き、3年連続のベスト8に甘んじる
結果となってしまった。試合終了後、公園に集まりおじやは
選手一人一人に問答したが、選手たちの悔しさのなさに
情けなくなり言葉を失い座り込んでしまった・・・。
そのときマネージャーに暖かい言葉をかけられ少し
落ち着きを取り戻したおじやは解散した後、
地元の祭りに出かけて盆踊りを踊り狂っていた(笑)
「最後の春こそは・・・」と熱い気持ちを
持ちながら・・・つづく・・・。