おじやの半生物語「2000年代前半編」その3

息子が3歳を迎えたころ、奇怪な行動が加速度を増して進んでいく・・・。
ダイニングテーブルの上で踊る。大きな奇声を出す。
便を壁になすりつける。階段の手すりを噛む。
その場で自転を繰り返す。話しかけても
オウム返し。好きなものを見れば一直線・・・。
こんなことがあった。ある日、手をつないで歩いていると
、前にパチンコ店のネオンが輝いているのを見つけ、
おじやの手を振り切り走りだし、車が往来している
道路を横切る。横断歩道なんて無関係。
危機一髪、急ブレーキの車を尻目になおも走り出す。
ひたすら謝るおじや。自閉症なんて
言っても分かってもらえない・・・。
こんな生活が一生続くと思うと
「心中」という言葉もチラリと浮かんだが・・・・。
ある日、息子の参観に行ったときに
先生方の「療育」には驚いた。泣こうがわめこうが、
とにかく「椅子に座る」ということを実践する・・・。
それはまるで鬼のような形相だが「自閉症」という障害をもつ
子供たちの将来を考え、自信に満ちた「療育方法」なのである。
学齢期になるまで、座れるようにしなければ
とんでもないことになる・・・・そう教えられた。
おじやは、「くじけている場合ではない・・・神は越えられない
試練は与えない。うちの家族なら大丈夫と思い授けたのだ・・・」
そう考え直し波乱に満ちた生活を楽しもうと
ポジティブ・シンキング」で生きることを誓うので
あった・・・つづく・・・。