おじやの半生物語「中学校3年生編」その6

通常の受験生より1カ月早く「受験の神様」の審判を
仰ぐことになった。エントリーしていた5人が
順番に呼ばれて、先生から合否が告げられていく。
おじやの順番がきた。先生が囁いた・・・
「おめでとう、良かったな。受かったのはお前だけだから
あまり、さわぐなよ」・・・と。
そう、おじやは試験を受けずに高校への切符を手にしたのだ。
これはこれで、ほかのやつらの手前、バツが悪い。
1人だけというのは・・・。
「思い切り喜ぶのは帰ってからにしよう」。今の時代なら
即メールで知らせるところだが、このころはじっと我慢の子。
友達よりも一足早く帰って、家族に知らせた。
成績や学校のことで喜ばせたことは無かったから
初めての経験だったかもしれない。親が嬉しくて泣いたのは・・・。
これで、試験勉強とはオサラバ。また気楽なおじやに
戻ることになった。いや〜。ほんまに運がよかったな・・・。
あとは、卒業するまで男女共学という恵まれた時間を
満喫しようと心に誓うのであった・・・つづく・・・。