おじやの半生物語「2000年代後半編」その1

2006年の春を迎え、娘は5年生になり「四箇郷オジヤフレンズ」の
メンバーとして頑張るようになってきた。
練習試合も「名草ルーキーズ」をはじめ、
「高松キングファイターズ」「岩出ガメラーズ」という
強豪チームに胸を借りるようになった。
しかし5年生だけでは心もとない・・・。そこでおじやは
近所の公園に行きスカウト活動を始める。
その結果3人の6年生を勧誘できた。ジュン、ユウヤ、アスカ。
そのほか、参観日の日に4年生も勧誘した。
セイヤ、タカト、アツキ。これで夏の大会に向けて
順調な人数確保ができた・・・。というのも
すでにこの時点では18人で始まったメンバーが
12人まで減っていたのだ。とりあえず交代制で全員試合に
出れるようにメンバー表を考えることになった
。練習も結構本格的になっていきスタッフも二人増え
大人3人でのチーム運営になった。そして7月、
初勝利を目指して「オークワカップ」に臨むことになる。
のだが・・・・その1週間前に
我が障害児息子がやってくれた。勝手に家を飛び出し
行方不明になったのだ。家族はみんな焦って探し回る・・・
警察にも捜索願いを出す。
何しろ「危険」が分からない障害ゆえ「死」をも覚悟しなければ
ならない状況だった。ひとしきり探した後、疲れ切ったおじやは
「もう、これだけ探したから、あとは警察に任せておこう、
とりあえず車にガソリン入れてくるついでに
一回り探してくるわ・・・」そういっておじやは車に乗り込み、
ガソリンスタンドに入る直前に・・・。
「あっ!」一人の少年が耳を押さえながら
自閉症の独特の行動)泣いて歩いている。「息子だ!」
おじやは車を飛び下り息子に駆け寄り抱きしめ
「ぬくもり」を認識した。「神はどうやらまだ息子を
思し召しにはならなかったようだな・・・」安堵の気持ちで
帰路に着いたおじや。家に戻った瞬間、嫁も娘も泣きながら
息子に抱きつき、また家族の絆が深くなった
瞬間でもあった・・・つづく・・・。